職場の高齢者施設で生活をしている、もうすぐ百歳になるおばぁさん。
名前は仮にはるさんとします。

はるさんは、1日の中で表情がくるくる変わります。
にこにこ笑っているときと眉間にしわを寄せて険しい表情のときを繰り返します。
認知症の影響と言われています。

その日は、にこにこ笑顔で歩いてきて、はるさんから、
よっ!っと言って片手をあげて挨拶をしました。

わたしも挨拶をして近付くと、わたしの手を握ってゆっくり歩きはじめました。
どこに向かうのかなと、はるさんの向かう方向へ任せながら
手を繋いで歩いていくと、窓際で立ち止まりました。

「あなた、ここに座りなさいね(^^)」
と言ってわたしを座らせると、その隣にちょこんとはるさんも座りました。
はるさんの身長は140㎝もなくてとても小柄です。

窓からは、少し遠くの山並みや風になびく竹林がみえていました。
ちょうど夕暮れでした。

「風であんなに木が揺れているわ^^
わぁ、すごい!」
と、はるさんが言いました。
ちなみにはるさんは、スゴく大きな声です。

すこし離れたところで、職員さんの声がしました。
「あれ、はるさんの声がする?」

窓際でふたりで座っているところをみつけて、
職員さんは、アハハと笑っていました。

とても、穏やかな時間で、その時のことが心に残りました。

 

わたしは、忙しく動いて、役割を果たさないと認めてもらえないような気持ちになって、
不安になるときがあります。
でも、そればかりではわたしの身体と心は壊れてしまうように思います。

“自分らしくやんなさいよ。”

はるさんからのメッセージのように感じました。

今の環境、みんなの命、私の命にありがとうと感謝の気持ちになりました。