菜の花畑

職場の高齢者施設の目の前の畑では、菜の花が満開になりました。

今日は天気が良くて暖かい!
おばあさんを菜の花畑にお誘いしよう!
満開の菜の花畑の横を通勤しながら考えていました。

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おばあさんは、認知症があって、いつも泣き顔をしています。

今日も、テーブルへ顔を突っ伏して泣いていました。
「もう、わけがわからなくて、いやんなっちゃう…あの人うそつくのよ」
と泣いているおばあさんへ話しかけました。
「菜の花が満開になりましたよ。
今日は、暖かいので外へ出てみましょうか?」

「行ってみたいけど、だめだと思うわ…」
顔を上げておばあさんが答えました。

おばあさんの口癖は、眉毛をへの字にして、
「だめなのよー、だめだと思うわ…」と言うことです。

少し待っていると、泣き顔がぴたりと変わりました。
「行ってみようかしら」と、おばあさんが言いました。

菜の花畑の目の前へ車椅子をとめると、
「いいにおいだわー」と、嬉しそうな泣き顔をされました。
そして、すこしずつ昔のお話をされました。
福島に住んでいたこと、お家にいたときはお花を植えていたこと、
旦那さんのこと、イチジクの入ったパンが好きなこと。

いろんなことを教えてもらいました。

摘んだ菜の花を鼻に近付けて、
「いいにおいね」と、おばあさんは菜の花の香りを楽しんでいました。

毎日、出勤しながらひとりで見ていた菜の花、
おばあさんといっしょに菜の花畑を見て、においを感じて癒やされました。

施設にはたくさんのおじいさん、おばあさんが生活をしています。
ひとりひとりと、毎日すこしずつお話しをして仲良くなりたいといつも思っています。