食事の時間以外は、ほとんどお部屋のベッドで
体を休めているおばぁさんがいる。

久しぶりに家族が会いに来てくれた。
今日は体調が良さそうだから、明るいロビーに行きましょう、
車椅子に座って家族と会った。

おばぁさんは、かすれる声をふりしぼって、
娘さんへなにかを伝えていた。
耳を澄まして、娘さんは聞いていた。

そして、大きな窓から見える外の景色を、
目をまん丸にしてきょろきょろ、時々指さしながら興味深く眺めていた。

 

毎日みていた、おばぁさんの表情とは違っていた。
それは、家族だけにみせる表情なのだ。

わたしは、何とも言えない気持ちになった。

いちど老人ホームの暮らしがはじまると、
寝たきりのお年寄りは、外へ出る機会がなくなっている。
体は動かなくても、心は動くのだ。

 

私は乳がんを経験してから、ホノルルへ行ったときも、
長野へ行ったときも、風や景色に癒やされた。

今から思えば、全く良い体調ではなかったけれど、
なんてきれいな景色なんだろう、
わぁ、気持ちが良いなぁと幸せな気持ちになった。

でも、ホノルルで、食べるものがないと泣いた、和食を探し回った。
長野では、自然な食事なのに、食べ過ぎてお腹を痛めて寝込んだ。

 

いろいろあったけれど、また自然に癒やされる旅がしたい。

療養、病人だったときも、旅は楽しみだった。
これからは、前とは違った旅を楽しめそうで、楽しみです!